男性が“この人いいかも”と感じる瞬間|オンラインお見合いで起きた本気スイッチ

📘 第3話|オンラインで“話しやすい”と思った彼女との出会い
オンラインで画面がつながった瞬間、“あ、この人…違う”と直感した日。
結婚相談所での最初のお見合いがうまくいかず、
軽く心が折れかけていた頃。
担当さんから2人目の紹介が届いた。
プロフィールを開いた瞬間、
写真と文章の雰囲気がどこか落ち着いていて、
背伸びしてない空気にふれて、気づけば肩の力がそっと抜けていた。
でも、期待しすぎて痛い目を見るのはもう嫌だった。
アプリ時代に散々撃沈してきて、
「期待=敗北」の方程式が体に染みついている。
だから自分に言い聞かせた。
「普通に話せばいい。欲張るな、俺。」
■ カメラがついた瞬間、空気が変わった
オンラインの時間になり、深呼吸してからカメラをオンにした。
映った自分の顔は、案の定いつもの“緊張で死んでる顔”。
「今日も魚の目してるな…」
そう内心ツッコんだ数秒後、
彼女がふっと画面に現れた。
「初めまして。今日はありがとうございます」
それだけなのに、明らかに空気が違った。
声が柔らかく、作った笑顔ではなく自然体。
オンライン特有の硬さがほとんどない。
画面越しなのに、不思議と距離を感じなかった。
■ 無意識でこちらの緊張をほどいてくる人だった
話し始めてすぐに、
会話のテンポが自然に合う という“初めての感覚”があった。
・質問攻めじゃない
・沈黙を埋めようとしない
・相手の反応を急かさない
それでもまったく気まずくない。
オンラインは少しの間でもぎこちなくなるのに、
彼女の“間の取り方”は絶妙だった。
“この沈黙、全然イヤじゃないの…初めてだな”
僕が言葉に詰まると、
急かすことなく、ふっと笑って待ってくれた。
「ゆっくりで大丈夫ですよ。私も緊張してますから」
その声が本当に優しかった。
さらに、彼女は自然にちょっとした冗談も混ぜるタイプだった。
僕が
「話すの得意じゃなくて…」
と言ったとき、
「じゃあ今日は私が多めに喋っておきますね。割り勘でいきましょう」
と小さく笑った。
“この人…気が利く”
ただ優しいだけじゃなく、
相手の緊張をそっとほどく力がある人だと分かった。
■ 「もっと話したい」と思ったのは、本当に初めてだった
30分ほど経つ頃には、
自分でも驚くほどリラックスしていた。
普段なら、
・変に思われてない?
・嫌われた?
・次何話す?
自意識の嵐が来る。
でも、この日は不思議と一切なかった。
“普通に、楽しい…”
その瞬間、自分が一番驚いた。
大人になってからの「惹かれる」は、
ドキドキよりも
落ち着く・自然に話せる が本物なのかもしれない。
彼女と話す時間は、
肩の力が抜けて、息がしやすい。
恋の始まりって、意外と静かなんだなと思った。
■ 終了間際の一言で、胸の奥がカチッと動いた
終了時間になり、最後の挨拶。
画面越しに、少し照れたように彼女が言った。
「またお話できたら嬉しいです」
…やられた。
派手な言葉じゃない。
好意を匂わせるわけでもない。
ただの一言。
なのに、胸の奥でカチッと音を立てた。
オンラインを切ったあと、
スマホを机に置いたまましばらく固まった。
「…いや、これ完全に気になってるやつじゃん俺」
怖い。
また傷つくかもしれない。
期待するのも怖い。
でも——
“期待したくなる人って、本当にいるんだ”
その日は、素直にそう思えた。
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